現在、沖縄で、「子どもと先生を元気にする会」の理事と事務局、週に2回シュタイナー教育のフリースクールをやっていて、教師や教師補助、小学2年生7歳の娘を含めて5名と一緒に学んでいます。

2022年に全日制週5の【沖縄シュタイナー学園】の開校を目指して活動しています。

1、娘の「特徴」

畑に水やりする娘

娘は、生まれた時から敏感で、よく泣く子だった。何が原因かわからない夜泣きもしょっちゅうで、喋り出した2歳くらいには、朝起きて電気を付けたら「光が眩しい」とパニックになったり、寝起きに突如泣き叫んだり、

ショッピングモールに行ったら人混みや「音」にパニック。一人でどこかに行ってしまって、よく迷子のアナウンスされて、当の本人はのん気で私だけ泣きそうになってた。

「味覚」も少し調味料を変えただけでわかるし、洋服の手触り肌触りも気にするタイプ。

人の心を読むのが得意で、占い師のように瞬時にわかってしまうこともあり驚く反面、人との境界線がうまく引けなくて、人が悲しいと自分ごとのように悲しみ落ち込み、人が怒られていると自分が怒られているかのように「共感」しすぎでしんどくなる。

また、少しの失敗も気にしすぎて、世界の終わりかと言うように落ち込んで、自分の存在が否定されたかのように彼女の存在=『Being』が弱くなり、それを補うように、母である私に強気になり暴言を履いたり、他所では、いいこちゃんして行動=『Doing』で『Being』の細々さを補完しようとする。

興味があることには、我慢ができなくて、初めて会う人の挨拶もせず急に興味ある人の持ち物を触ったり、押入れを開けようとしたり。

絵本は一度読んだらほぼ覚えていたり記憶力に驚かされる。一緒に瞑想してたら、娘の口からでる詩のような深い言葉にもびっくりする。娘の歌を聴いたらなぜか泣く大人がいたり、娘に触れられたら何かエネルギーを感じている。

2、娘を育てながら私が思ってきたこと

そんな彼女の特徴は、少なからず、私も幼少期に似たようなものがあった。でも私はそれを素直に「表に出すこと」ができなかった。大人の顔色を伺い、「自分」という物を封印して生きてきた。

だから、「自分」を思いっきり出しているように映る娘にエールを送りたいし、娘の特徴を伸ばせるようサポートしたい。娘が成長していくにつれ、「才能」を伸ばせるようにしたいって、ますます思う。

3、担任の先生に「自閉スペクトラム症」の傾向と言われて

先日、娘の学習について、シュタイナースクールの担任の先生と話した時、とても言いにくそうに、そして丁寧に「自閉スペクトラム症」の傾向があると伝えてくれた。

「自閉スペクトラム症」とは…https://www.smilenavigator.jp/asd/abc/ 

対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つで、「アスペルガー症候群」や「特定不能の広汎性発達障」など特徴に分けて別々の障害として考えるのではなく、虹のようにさまざまな色が含まれる一つの集合体として捉えようとするのが「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)」というそうだ。

いろいろ調べてても、娘に当てはまるところ当てはまらないところがあって、一つの定義では収まらない「人それぞれ」なんだなーと思ったし、だから最近は、「スペクトラム」(様々な色が含まれる)という表現で総称してるんだなーと。

うちの娘は、「だだものではない」と薄々そんな感じなのかな?と思っていたが、目の前にその文字が現れると、何か動揺した。

先生は、【自分も含めてみんな何かしら凹凸を持っている。その凹凸が緩やかか急かの違い。

ただ、急だと、人と馴染めなかったりぶつかることもあるし、本人が辛い思いをすることがある。

小学生低学年の「心」を育むこの時期に、「特徴」を活かしつつ、社会と、人と、安心して繋がれるようにしたら、のぞみちゃんは元々「思考力」が高いので、その「特徴」を社会へ、世界へと発揮しやすくなる。】

そう言ってくれた。「私も同感だ」と頭では理解したが、

その時、私は思わずグワっと泣いた。

その感情の源には、
・我が子が、ダメな感じでラベリングされたみたいで悲しくなった。
・これまで、全部、母の自分のせいだと思ってきたこと。
・ようやく、真の理解者が現れたこと。

実は、すごく「辛かった」んだってことがようやくわかった。

妊娠中から事業の責任者をしていて精神的にも肉体的にも多忙だったこと、あまり胎児に意識を向けず穏やかな気持ちにもなれなかったこと。

陣痛促進剤で丸3日(72時間)かけて産んだこと。病院で眩し光の中で産んで母子分離だったこと。生後4ヶ月から仕事復帰したこと。

子育てがしんどいのは、母の自分が忙しくまた難産でバーストラウマを持たせてしまったんじゃないか。仕事して愛情が不足しているんじゃないかとか、自分のせいじゃないかと責めてきた。

72時間かかって産んだとき、不自然に突然陣痛がきて辛かっただろうに…と想っていたし罪悪感があったが、

それより何より、私自身が、72時間続いた耐えがたい強烈な陣痛の痛みの傷に、まだ癒されてないんだ。本当に心底辛かったんだ。

第一子で、こんな娘の「特徴」も、きっとどのお母さんもこのくらい大変なんだ=「普通」のこと、だと思って、人に相談することもしなかった。

自分の育て方の課題だと思っていたし、よく夫婦で話しあって、保育園に行かなかった期間もそのまま理由も追求せず穏やかに過ごそうと協力し合い、ヒーリングを受けたり、してきた。

でも、愛しても愛しても、「死にたい」と言ってきたりと、しんどさはなくならなかった。

ようやく、真の理解者が現れて、共感してもらい、初めて、「私は辛かったんだ」と認識できた。でもまだ胸のつっかえがある。何かは今はわからないけど、少しずつ私の心も解き放たれていくんだと思う。

4、これからの時代の子どもたち

シュタイナーのフリースクールでも、「自閉スペクトラム症」(発達障害系の総称?)に該当する感じのお子さんが見学にいらっしゃることもある。

今の時代、そういうお子さんが増えているのは、「自我」(…この世に生まれて自分を意味、自分は今何をしなければいけないのか、生きることの意味を実感できるようになる力。)目覚めが早い子が多いのだとも思ってる。

私たちの時代は、いろんな葛藤を抱え「大人」になってから、その葛藤から学び、大体40代以降で「自我」を発揮して行っているように思う。

きっと、次世代へ向かう今の子どもたちは、その40年のプロセスを経ずに、早くに、唯一無二の自分の生きる意味に目覚め、早い時期に「自分」を発揮していく時代なんだと思う。より深く、長く、「社会へ世界へ」力を解き放つ時代が来ているんだと思う。

地球儀を持つ人

その「特徴」は、時代をクリエイトする力。私は、その突出した能力を安心して出せて、社会へ、世界へ、繋げられるような教育がしたい。みんな、天才だと本心から思う。どの子どもにも、畏敬の念を持って接したい。

最後に

最後に、シュタイナー教育のコンセプトを。
「畏敬の念を持って迎え、愛をもって育み、自由へと解き放つ」

私は、母としても、教育者としても、人としても、そう在りたい。

娘を守るためにも、こんな風に公開しない方が良いかとも思ったけど、娘のことをラベリングして決めつけるような方とのお付き合いはないし、何かあっても守れる自分がいると思った。何より、私自身、(母親としては複雑な感情は持ち合わせているが)娘のことをネガティブには捉えてないからだ。

娘を通じて気づくことが多くある。それを隠さず素直に発信していきたい。